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「保育園・幼稚園の無償化」は本当に無償か?

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― 制度と現実のギャップを保護者の立場から読み解く ―

はじめに

保育園や幼稚園にかかる費用について、「今は無償で通える」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。これはメディアの報道や政府の広報によって広く流布された認識ですが、現実には多くの家庭で実質的な負担が残されており、「無償」とは名ばかりの制度です。

制度の施行から6年が経過し、多くの家庭では制度そのものの詳細を忘れ、次の子育て世代が「そういうもの」として受け入れてしまう構造があります。ですが、出産や子育ては一度限りのものではなく、家庭の状況によって負担は今後も続きます。

制度の概要と現実

内閣府が示す「幼児教育・保育の無償化」の制度は、以下のような条件付きでの支援となっています。

  • 3~5歳児(認可幼稚園):月額25,700円まで支給
  • 0~2歳児(住民税非課税世帯):第2子は半額、第3子以降は無料(※年収360万円未満相当世帯は第1子でも対象)
  • 3~5歳児の預かり保育:月額11,300円まで
  • 3~5歳児(認可外保育施設等):月額37,000円まで
  • 0~2歳児(認可外保育施設等、住民税非課税世帯):月額42,000円まで

このように、対象や上限が定められており、対象外や上限を超える費用は自己負担です。「無償化」と聞いて全てが無料になると誤認しやすい表現ですが、実際には条件付き補助制度に過ぎません。

我が家の実例と実感

我が家は共働きで、子どもを幼稚園に通わせていました。幼稚園の通常保育時間は9時〜13時半で、送り迎えにかかる時間を含めると、自由に使える時間は3時間半ほど。これではフルタイム勤務など到底できません。

預かり保育を使うと、1時間あたり300円〜1,000円程度の追加費用がかかり、フルタイムで利用すれば月3万円以上が必要です。つまり「無償化」とはいっても、実際には月数万円の出費が常に発生します。

また、祖父母の支援が得られない家庭では、夫婦のどちらかがキャリアや収入面で妥協せざるを得ない状況に陥ります。これは制度的に解消されていない、現実的な障壁です。

園の選択と教育格差

幼稚園と保育園では、教育方針や子どもへの対応が大きく異なることがあります。さらに同じ「保育園」でも園によって質はまちまちです。理想の教育を受けさせたいと考えれば、距離のある園を選ぶ必要がある場合も多く、通園の負担が増えます。中には引っ越しを検討したご家庭もあるでしょう。

また、園によっては預かり保育が実施されておらず、その場合は必然的に親が毎日定時に迎えに行く必要があります。夫婦どちらかがその役割を担い、勤務時間の制限を受けることになります。

保育園・幼稚園側も国の基準によって職員配置や設備が厳しく定められており、独自性を出すことが困難です。特化型教育や特色ある活動ができる園は限られており、結果として地域や経済力により選択肢が分断される傾向にあります。

年少未満の預け入れのハードル

年少(3歳)未満の子どもを預ける場合、一時保育などの活用が中心となりますが、これも有償であり費用は月5~6万円前後かかります。また、園によっては定員に限りがあり、予約の確保も一苦労です。

我が家ではこの期間、キャリアを一部犠牲にしながら家庭保育を選択しましたが、全家庭に同様の選択が可能とは限りません。これは「自己責任」として処理されている部分が大きく、支援の手は届いていません。

現代の育児と就労の両立

共働きでフルタイム勤務をする場合、朝6時には起床し、朝の家事や子どもの準備をしなければなりません。そして夕方には18時前には迎えに行かなければ、子どもの就寝時間に間に合いません。これは親の生活・労働スタイルに大きな制約を与えます。

保育士や教育系YouTuberとして活動している「てぃ先生」などの意見にも共感することが多く、家庭にとって子どもの教育は、金銭よりも「どう育てたいか」が重要だと実感しています。だからこそ、経済状況に左右されずに子どもに合った園を選べる制度が求められます。

政府の建前と現実の隔たり

政府は「子どもを産んでほしい」「女性も働き続けられるようにする」と言いますが、現実はその制度設計がまるで追いついていません。

職場における時短勤務や早退が評価に影響しないよう制度を整えているとされていますが、実際には勤務査定に影響したり、昇進・昇給の障壁になることも多く、ジェンダー平等やワークライフバランスの実現にはほど遠い現状があります。

自営業者においても、誰かが子どもを迎えに行かなければならないことに変わりはなく、業務機会や売上に影響を及ぼすことは避けられません。

結論

子育てと仕事の両立は、制度の有償・無償にかかわらず非常に難しいものです。無償化はあくまで部分的な支援であり、「子育ての金銭的負担がなくなった」と思うのは大きな誤解です。

制度のPR効果は大きい一方で、実際に支援を必要とする世帯の実情には目を向けられていない現実があります。政府が本当に少子化を解決したいのであれば、表面的な「無償化」ではなく、実効性のある包括的な支援策を打ち出す必要があります。

補足

本記事の内容は、厚生労働省、内閣府、総務省統計局、メガバンク等が公表するデータに基づいて記述しております。毎年決まる予算によって金額に変更がある場合などもありますので、詳細は各自でご確認ください。

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